- 第4世代の固定シンボル乱数調整について手順を簡潔にまとめた。
- HGSSの図太いA抜け5Vスイクンを例に用いる。内容は他の固定シンボルやDPPtに応用可能。
- 色違い乱数についての解説は本記事では行わない。
6Vメタモンなど野生ポケモンの乱数調整について知りたい方は下記の記事へ。
第4世代乱数調整に必要なもの
- パソコン
- 本記事の内容だけであればWindows/Macどちらでもよいです。以下ではMacを例に説明しますが、Windowsでもほぼ同じ手順でできるはずです。
- 応用的な内容に手を出したい場合はWindowsでないと難しいです。Macでは使えないツールが必要になるため。
- ニンテンドーDS本体
- 初代DSもしくはDS Liteであること。
- 3DS等でもできるようですがこの記事ではやり方を説明していません。
- ハートゴールドもしくはソウルシルバーのROM
0. 事前準備
ゲーム内の準備をする
- ライコウ、エンテイ、ラティの3体が徘徊中であること。
- 徘徊前でも捕獲後でもない。
- 2体でも不可能ではないが、この記事では3体徘徊中の前提で解説する。
- ウツギ博士の電話番号が登録されており、かつタマゴから孵ったトゲピーをウツギ博士に見せたあとであること。
- スイクンがハナダのみさきにいること。
- その他、性格ずぶといのシンクロ要員、捕獲要員、捕獲用のボール。
必要なツールを揃える
- PHS
- 固定シンボル乱数以外にも使える第4世代用の乱数調整ツールです。
- リンク先(Googleドライブ)から [PHS1.20.2] > [PHS1.20.2.jar] をダウンロードしてください。
- PHSを動かすためにはパソコンにJavaがインストールされている必要があります。Javaが入っていない場合は https://www.java.com/ja/download/ からダウンロードしてください。
- シンプルタイマー
- ゲーム起動のタイミングを図るためのタイマー。webブラウザで開いて利用します。
- ストップウォッチでも代用可能ですが、あったほうが断然便利です。
1. 目標個体を探す
今回は例として、ハナダのみさきでA抜け5Vスイクンを捕獲します。他の固定シンボルでも手順は同じです。
PHSの[条件から検索]タブを使います。下の画像を参考に必要な情報を入力し、画面左下の[実行]を押下してください。
特に注意すべき入力内容は下記の通り。
- 一番上のプルダウンは「伝説(シンクロ可)」、となりのラジオボタンは「金銀」を選択。
- 「性格」と「シンクロを使用」両方のチェックボックスに✔。
- 「〜だけ前のseedを出力」の下限を3に設定。
次のような検索結果が出力されました。
性格 = ずぶとい(シンクロ使用)
性格値:45eefcf6
個体値:31-14-31-31-31-31
特性:1
めざパ:龍70
初期seed:810b042f
seed消費数:4~10
月×日+分+秒:129 or 385
時:11
フレーム+年-2000:1071
2. ゲームの起動タイミングを計算する
検索結果の下3行から初期seed「810b042f」に到達するためのゲーム起動タイミングを割り出します。
月×日+分+秒:129 or 385
時:11
フレーム+年-2000:1071
以下、細かい理屈は抜きにして計算方法だけ記述します。
年、秒
- 1071を60で割る。1071 ÷ 60 = 17 余り 51
- 余り51なので2051年
- 商が17。17秒 + メニュー画面待機10秒 + 空白時間6秒 = 33秒
時
- 検索結果の通り11時。
月、日、分
- 月 × 日 + 分 + 秒 = 129 を満たす月と日と分の組み合わせを探す。
- 秒を33と導き出したので 月 × 日 + 分 + 33 = 129 つまり 月 × 日 + 分 = 96
- 10月を選ぶと計算がラク。10 × 日 + 分 = 96
- なので例えば 10月09日、06分
ゲーム起動タイミングまとめ
「2051年10月09日11時06分33秒」と計算できました。このタイミングにゲームを起動するには次の手順で行います。
- DS本体の年月日と時分を 2051年10月09日11時06分 に設定する。
- 電源をOFFにし、すぐにONにする。
- 11時06分10秒にソフトを選択する。
- 11時06分33秒に「つづきからはじめる」を選択する。
3. シンプルタイマーをセットする
シンプルタイマーで下記の通り設定します。
- 待機時間:23秒(33秒 – 10秒)
- 開始までの猶予:10秒
- サウンドを有効化
これで10秒経過時点と33秒経過時点を音で知らせてくれます。
4. 乱数が成功していた場合の徘徊位置を特定する
HGSSでは徘徊ポケモンの位置によって、ゲーム起動のタイミング合わせが成功したかを判別できます。
徘徊位置の特定にはPHSの[seed調整]タブを使います。必要な情報を入力し、画面左下の[実行]を押下してください。
- seed欄に先ほど検索した初期seed「810b042f」を入力。
- 前後出力数は「30」。
- その他の項目も下図を参考に設定。
下記のようなリストが出力されます。
目標初期seed:810b042f
分+秒のずれ:0
〜略〜
810b0428:ライコウ:34 エンテイ:32 ラティ:22 強制消費seed数:3
810b0429:ライコウ:42 エンテイ:34 ラティ: 5 強制消費seed数:3
810b042a:ライコウ:30 エンテイ:37 ラティ:26 強制消費seed数:3
810b042b:ライコウ:37 エンテイ:42 ラティ: 6 強制消費seed数:3
810b042c:ライコウ:45 エンテイ:44 ラティ:28 強制消費seed数:3
810b042d:ライコウ:33 エンテイ:29 ラティ: 8 強制消費seed数:3
810b042e:ライコウ:42 エンテイ:31 ラティ: 1 強制消費seed数:3
810b042f:ライコウ:30 エンテイ:34 ラティ: 9 強制消費seed数:3
810b0430:ライコウ:36 エンテイ:37 ラティ: 3 強制消費seed数:3
810b0431:ライコウ:45 エンテイ:39 ラティ:11 強制消費seed数:3
810b0432:ライコウ:33 エンテイ:44 ラティ: 4 強制消費seed数:3
810b0433:ライコウ:39 エンテイ:46 ラティ:12 強制消費seed数:3
810b0434:ライコウ:30 エンテイ:31 ラティ: 6 強制消費seed数:3
810b0435:ライコウ:36 エンテイ:34 ラティ:14 強制消費seed数:3
810b0436:ライコウ:44 エンテイ:36 ラティ: 7 強制消費seed数:3
〜略〜
目的の初期seedに到達していた場合、ライコウは30ばんどうろ、エンテイは34ばんどうろ、ラティは9ばんどうろにいるということがわかりました。
5. 初期seedを狙ってゲームを起動する
- スイクンの目の前でセーブする。シンクロ要員を先頭にしておくのも忘れずに。
- 徘徊ポケモンが先ほど検索した場所(30、34、9ばんどうろ)のどこにもいないことを確認する。
- どこかにいてしまった場合はそらをとぶなどして徘徊位置を変更し、手順1に戻る。
- DS本体の電源をOFF→ON。
- DS本体の年月日と時分を「2051年10月09日11時06分」に設定する。時分決定のAボタンを押すのと同時にシンプルタイマーの[開始]を押す。
- DS本体の電源をOFFにし、すぐにONにする。
- 11時06分10秒にソフトを選択する。シンプルタイマーを参考に。
- 11時06分33秒に「つづきからはじめる」を選択する。シンプルタイマーを参考に。
- ゲームが始まったらすぐにメニュー画面を立ち上げ、徘徊ポケモンの位置を確認する。
- ライコウが30ばんどうろ、エンテイが34ばんどうろ、ラティが9ばんどうろにいれば成功です。メニュー画面を閉じずに次の作業に進みましょう。
起動タイミング合わせに失敗したら
起動タイミング合わせに成功していれば、ライコウは30ばんどうろ、エンテイは34ばんどうろ、ラティは9ばんどうろにいます。
失敗した場合は先程のリストを使って次の2点を確認し、やり直してください。
- ズレた行数(フレーム数)が偶数か奇数か
- 奇数行ズレていた場合は、DS本体の設定年をプラスもしくはマイナス1年してやり直す。
- 上にズレたか、下にズレたか
- 上にズレた場合はタイミングが早すぎ、下にズレた場合はタイミングが遅すぎ。
例)徘徊ポケモンの位置が「ライコウ:44 エンテイ:36 ラティ: 7」だったとする。この場合、
- ズレが7行なので奇数ズレ。DS本体の設定年を2050年 or 2052年に変更。
- 下にズレているのでタイミングが遅すぎ。もう少し早く「つづきからはじめる」を選択。
目標初期seed:810b042f
分+秒のずれ:0
〜略〜
810b0428:ライコウ:34 エンテイ:32 ラティ:22 強制消費seed数:3
810b0429:ライコウ:42 エンテイ:34 ラティ: 5 強制消費seed数:3
810b042a:ライコウ:30 エンテイ:37 ラティ:26 強制消費seed数:3
810b042b:ライコウ:37 エンテイ:42 ラティ: 6 強制消費seed数:3
810b042c:ライコウ:45 エンテイ:44 ラティ:28 強制消費seed数:3
810b042d:ライコウ:33 エンテイ:29 ラティ: 8 強制消費seed数:3
810b042e:ライコウ:42 エンテイ:31 ラティ: 1 強制消費seed数:3
810b042f:ライコウ:30 エンテイ:34 ラティ: 9 強制消費seed数:3 ★成功した場合
810b0430:ライコウ:36 エンテイ:37 ラティ: 3 強制消費seed数:3
810b0431:ライコウ:45 エンテイ:39 ラティ:11 強制消費seed数:3
810b0432:ライコウ:33 エンテイ:44 ラティ: 4 強制消費seed数:3
810b0433:ライコウ:39 エンテイ:46 ラティ:12 強制消費seed数:3
810b0434:ライコウ:30 エンテイ:31 ラティ: 6 強制消費seed数:3
810b0435:ライコウ:36 エンテイ:34 ラティ:14 強制消費seed数:3
810b0436:ライコウ:44 エンテイ:36 ラティ: 7 強制消費seed数:3 ☆今回の結果
〜略〜
6. 乱数消費を進める
必要な消費数は最初のPHS検索結果の下から4行目に記載されています。
seed消費数:4~10
- 今回必要な消費数は4。
- 徘徊ポケモンが3匹いるため、ゲームを始めた瞬間に自動で消費が3進んでいる。
- 手動で1だけ消費を進めてやれば良い。
ウツギ 博士に1度だけ電話をします。これで消費が1進みます。
7. スイクンを捕獲し、個体値を確認する
スイクンに話しかけて捕獲しましょう。ジャッジで個体値を確認し、5Vであれば成功です!お疲れ様でした。
補足:乱数調整の全体像を理解する
この章は乱数調整を仕組みから理解したいという人向けの内容です。とりあえず手順だけわかればよいという人は飛ばしてください。
実際に手順通りスイクンを捕獲したあと、「あの作業は何の意味があったんだろう?」と振り返りながら読んでいただくと良いと思います。
乱数とは何か
ポケモンのゲームの中ではランダムに思える事象がいくつかあります。
- エンカウントしたポケモンの個体値
- 徘徊ポケモンがいる場所
- ウツギ博士へ電話したときの返答内容 など。
その結果は乱数と呼ばれる数字の列によって決まります。そして乱数は一定のルールに従って生成されています。
乱数調整とは何か
- ランダムに思える事象の結果は乱数によって決まる。
- 乱数は一定のルールで生み出される。
だとすると、乱数が決まるルールが解明できれば狙った結果(6Vなど)を意図的に出せるのではないか。
欲しい結果から逆算して必要な乱数を特定し、その乱数になるように行動を調整すること、これが乱数調整です。
どうやって乱数が決まっているのか
第4世代の乱数は大きく2つの要素で決まります。
- 初期seed:DSの電源を入れてからセーブデータを選択するまでのタイミングで決まる
- 消費数:ゲーム開始後のプレイヤーおよびNPCの行動で決まる
初期seedと消費数という単語は乱数調整をするにあたり避けて通れません。これを機に覚えましょう。
次のような碁盤目模様の世界をイメージすると分かりやすかもしれません。
抑えておくべきポイントは、斜め移動ができないということです。初期seedが合っていなければ、そのあとゲーム内で何をしても目的の乱数には到達できません。
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